Se connecter異世界からの俺様美形王子×現代の巻き込まれ平凡男子の、現代ラブコメ逆転移ファンタジー。 ※話タイトル前の『●』はR18シーンあり。 普通の高校生・坂宮太智の隣に引っ越してきた百谷三兄弟。 ある夜、大智は隣人がなぜか庭を光らせたり、異世界ゲームキャラな格好をしている姿を目撃する。 その日から大智は隣人が気になってしまい、 クラスで席も隣な同級生・百谷圭次郎ウォッチングにハマってしまう。 しかし、それが圭次郎にバレてしまった時、太智は取り返しのつかない仕打ちを受けてしまう――。 「坂宮太智、お前もこれから好奇の視線に晒されて、変人の烙印を押されるがいい」 「そんなことで結婚するなよぉぉっ!」 ※表紙絵 星埜いろ先生
Voir plus王様、目の鋭さはケイロに似ているけど眼差しが柔らかで、それでいて顔つきは威厳に溢れて凛々しい。短い銀髪に、きれいに生え揃えた顎髭。背や体格は俺と大差ないのに、なんだか大きく見える。ふと王様が俺に目を合わせてくる。困惑しているのが伝わったのか、目尻が緩んで緊張が和らいだ気がした。「さて……ケイロよ。本来は時間をかけて彼を精査する予定であったが、状況が状況だ。お前は面倒がって今まで避けていたが、しばらく会議に参加してもらう」「……父上。何を言っても分かろうとしない人間と言葉を重ねても、時間の無駄です」ひしひしとケイロから不満の気配が漂ってくる。横目で見やると、心底嫌そうに顔をしかめ、本音が声からも表情からもダダ漏れ状態だ。ケイロはこっちの世界では不満を溜め込んでいたし、城の人たちは厄介で面倒でしかないのだろう。親とはいえ王様に向かったこんなこと言ったら、普通は大激怒されると思う。でも王様は落ち着いた声でケイロを諭す。「言葉を重ねてもいないのに、なぜ無駄と決めつける? お前の悪い癖だ。前例のないことを通すのであれば、根気強く向き合うことだ」「……分かりました」おおっ、ケイロが折れた!そして周りがザワッてなった。それだけ折れるケイロって珍しいんだな……。ちょっとはケイロも成長したってことなんだろうなーと思っていたら、「でしたら、大智を正妃に迎えることを認めてもらうまで言葉をぶつけ続けましょう」あー……これは成長じゃなくて、軽くブチ切れ気味で苛立ち全部ぶつけて後悔させてやろうって魂胆だ。それに、絶対俺を認めさせたいっていう本気さも伝わってくる。俺は当事者だけれど、認めてもらえていないからまだ部外者で、この件で何か手伝えることはない。今できることと言えば――。「ケイロ、大人気なくケンカするなよ。無闇に敵作っても苦しいだけだから……みんな俺のことを知らないんだし、腹立てずにちょっとずつ前に進んでいこう。俺が必要なら、できる限りなんでもやるし。な?」俺はケイロの背中をポンポンと叩きながら宥めてやる。野球でピッチャーの投球が乱れていたら、タイム取ってキャッチャーがこうしてフォローするものだ。女房役はちゃんと手綱を握らないとな。……あれ? ケイロが真顔で俺を見つめてきたぞ?凝視され過ぎて、ちょっと怖いんだけど。やけに目がギラついてるし……
コツ、と。今までしなかった足音が鳴る。光のモヤを抜けると、そこは天上がやたらと高い広間だった。床は大理石。壁には宗教画みたいな絵が直接描かれていて、天上に近い所はステンドグラス。しかも白い光球がいくつもフワフワ漂っていて、なんとも豪華ながら神秘的だ。これぞファンタジーって感じでテンション上がる!でも豪華過ぎて、俺がゲームで馴染んできた好きなファンタジー世界とは若干ズレてる……俺、きらびやかな貴族ものより、夢と冒険が詰まった爽快ファンタジーが好きなんだけどなあ。転生せずに俺のまま異世界に来れた上に、元の世界にも戻れるんだから、俺の好みを押し付けるっていうのは贅沢すぎだよな。うん。そんなことを城内の豪華さに圧倒されて、口をポカンと開けながら見惚れていると、ケイロが俺の手を引いた。「一旦、俺の部屋に行くぞ。他のヤツらに見つかったら騒がれる。グズグズするな」「え……? なんでそんな逃げるようなことを――」俺が尋ねたその時だった。いくつかある扉の中でも一番大きな扉が、ギギギ……と開く。そこにはアシュナムさんやソーアさんをはじめ、何人もの人がズラッと並び、俺たちを見ていた。交流のある二人を除き、信じられないものを見たかのように目を見開いて驚いている。中にはケイロに似たイケメンお兄さんや、この中で一番威厳ありそうな服を着た銀髪のイケオジも目を点にしていた。「チッ、来てしまったか」ケイロが舌打ちする。面倒なものが来たと言わんばかりだ。アシュナムさんは頭を押さえてため息をついているし、ソーヤさんは頬を引きつらせながら苦笑を浮かべている。事情はよく分からないけれど、この鉢合わせは予定外で、アシュナムさんたちも避けたかったことなんだろうと思う。グイッ、と繋いでいた手をケイロに引っ張られる。そして体を引き寄せられたと思ったら、ケイロの手が俺の肩を抱いた。「前から言っていた通り、異なる世界から連れて来た。坂宮大智……俺の妻だ」言いながらケイロは俺の左手を取り上げ、薬指にある婚華の指輪をみんなに見せる。ざわ……ざわざわ……。動揺が広がり、次第にざわつきが大きくなっていく。何を言っているのかはよく分からないけれど、歓迎されていない気配だ。ケイロ似のイケメンが一歩前に出て、あからさまなため息をついた。「この愚弟が……異界の男を娶るなど、何を考え
◇◇◇翌日、神官長のオーレムさんや神官さんたちとお別れして、俺はケイロと共にお城へ向かうことになった。てっきり天馬とか竜とかファンタジーっぽい物に乗ったり、魔法で空飛んで行ったりするのかな? と思ってワクワクしていたけれど――。「さあ大智、城に行くぞ。しっかり俺の手を掴んでいろ……どうした? なぜそんな不味い物でも食べたような残念そうな顔をしている?」「だって……せっかく異世界に来たんだぞ? 移動手段、どんなのだろうって色々と期待するだろ……なのに、これ……」案内されたのは神殿の最奥の部屋。小さな部屋の中に入って目に入ってきたのは、すっごく見慣れた光のモヤだった。「俺の部屋にあった不思議工事のモヤじゃねーかぁぁ……ファンタジーっぽいのに、慣れすぎて物足りない……っ」俺とケイロの部屋を魔法で繋いで、お互いにいつでも行き来できるようになっていたアレが目の前にある。初めてだったらもっと感動したんだろうけどなあ……と贅沢な不満のため息をついてから、俺は目を据わらせてケイロを睨む。「しかもお城と神殿、直通なんだな……改めてケイロに騙されてたって思うと、腹が立ってくる」「機嫌を直せ。城での用事が終わったら、大智の世界にはない乗り物に乗せてやるから」「……約束だぞ? あれこれ理由つけて無しにしたら、エッチは三日に一回だけにするからな」「それは困るな……二学期とやらが始まっても、あっちに戻るより優先してやろう」「二学期は間に合わないと困るから! じゃないと俺、卒業できないかもしれないから!」そんな睨んだり、焦ったりなやり取りをしながら、俺はケイロと手を繋いで光のモヤに入っていく。ケイロに触れると体が疼くから、たったこれだけでも力が抜けそうだ。
◇◇◇……結局、また一日も空けずにケイロに抱かれた。魔法で体も回復できるし、俺のこと好きだよなーコイツって手応えがめちゃくちゃあるし、何より気持ちいいけどさ――気力は回復しないんだよ……イキまくると精神も疲れるんだよ……。俺がベッドの上でぐったり突っ伏していると、ケイロが体を起こして俺を見下ろす。「どうした? あれだけ悦んでいたのに、不満そうな顔だが……まだ足らないか?」「馬鹿……足りすぎて疲れてんだよ……なんでお前はそんなに元気なんだよ……」瞳だけ動かして、俺はケイロを恨めしげに見る。どう考えてもケイロのほうがいっぱい動いてるし、俺の中で何回も出してるし、俺と同じで心の疲労度は高いと思うんだけど……むしろ終わった後のほうが顔色良くて、活き活きしてるように見える。なんてタフさだよ。この恨めしさを口に出してぶつけてやりたいけれど、口を動かすのも億劫だ。視界に入ってくるケイロの割れた腹筋が、俺との差を物語っているようで悔しくなってくる。軽く唇を尖らせていると、ケイロが俺の頭を撫でてきた。「それだけ大智と一緒にやれるのが嬉しいんだ。俺が心から認めた相手を伴侶に迎えるなど、絶対に不可能だと思っていたくらいだからな」……ああ、こそばゆい。前よりもケイロが俺への気持ちを素直に言うようになってくれて、嬉しいんだけれど恥ずかしい。さっきまでエッチしてたから、体にまだ余韻が残っていて落ち着かない。頭撫でられてるのもあるけど、言葉ひとつで疼くなんて、俺の体が完全にケイロに堕ちてやがる。俺の顔も腰の奥も熱が戻りそうになっていると、ケイロが顔を近づけ、俺を覗き込みながら告げてきた。「本来の予定では神官長に大智を見極めてもらい、俺の伴侶に相応しいかの報告後に、父王が大智に会って判断する流れだった……だが襲われたことで、父は合否に関わらず大智を保護すると宣言した。だから――」「つまり、まだ俺は認めてもらえていないってことか」「そうだ。だが、大智はそのままでいればいい。父王が認めようが認めまいが、俺は大智を選ぶ。もし認めないというなら、俺がこの国から去るだけだ」迷わずに俺を選んでくれるのは嬉しいけれど、それは――。気だるい手を上げ、俺はケイロの頭を軽く小突いた。「そうしたら、この国の人も精霊たちも大変なことになっちゃうだろ……俺、認めてもらえるように頑張
精霊たちの映像を見ながら、俺は身を隠しつつ男たちに近づく。そして草むらにしゃがみ込み、精霊たちに目配せして合図する。……喋らなくても分かってくれるよ精霊。アイコンタクトで動いてくれるんだから、意思がしっかりある証拠だ。黄緑色の光球たちが、男たちの真横にサラサラッと風を起こす。「おっ、何かいるのか?」ヤツらが気づいたら、今度は前に、前にと風を吹かせながら動いてもらう。草を揺らしながら移動する様は、誰かが逃げているように映るはず。案の定男たちは「逃がすか!」と湧き立ち、追い駆けいく。よし、ここまでは狙い通りだ。このままアイツらの気を引いてもらって、その隙に神官さんを助けよう!
◇◇◇神官さんたちと和気あいあいとしながら朝食を楽しんだ――異世界の食事は派手さはないけど、どれも美味しかった――後に、ようやく俺は外に出ることができた。神殿の外観は、写真で見たことがある古代西洋の神殿を新築で建てた上に、壁やら屋根の装飾を豪華にした王道ファンタジー的神殿だった。そして神殿がある場所は、郊外の森の入り口。 近くに他の建物はないけれど、遠くの方に賑やかそうな街が見えた。「大変申し訳ありませんが、どうか近辺の散策のみでお願い致します」異常がないか見張ってくれる神官さんが、申し訳無さそうに言ってくる。「はいっ、ありがとうございます」俺は満面の笑みで答えると、さっそく
俺がケイロの腕の中で悶絶していると、神殿のほうから疎らな足音が聞こえてくる。良かった、助けが来た。もう大丈夫なんだと腹の底からホッとする。平凡一般人にガチ戦闘は荷が重いってよく分かった。「こんな目に遭うなら、これからは絶対にケイロと行動する……別々になるなら部屋で引きこもってる……」「それはいい心がけだ。この件で大智が狙われていると判明したから、城のヤツらに言ってやれる。俺から大智を引き離そうとするなら、襲撃した仲間とみなす、と」言葉の中身だけ聞けばキツめの冗談に聞こえるけど、ケイロの目は本気だ。実は俺が襲われてブチ切れてる? 気持ちは分かるけれど、このままだと暴走して周りに迷惑
シュルシュルシュルッ。 男たちの周りを何重にも囲むように蔦を出し、そこからまとめてギュッと締付けさせる。蔦だけなら気づいて逃げてただろうけど、視界が邪魔されてパニック状態の男たちには効果テキメンだった。「よし! 計算通り……っ」望んだ通りの展開になって、思わず俺は拳をグッと握る。精霊たちも嬉しそうに飛び回って、弾むようなリズムで光を点滅させる。これが人型ならハイタッチして喜び会うんだけど――ん?俺はふと違和感を覚える。 捕らえた男たちが俺を見ながらニヤニヤと笑ってる。なんでだ? と首を傾げそうになった時、「なるほどなあ……普通じゃないってことか」低くザラついた声と同時に、